
玄米ベーグルを作るまつえんどんの三輪弥生さん=南魚沼市美佐島
新潟県南魚沼市美佐島のコメ農家まつえんどんの取締役三輪弥生さん(45)は、自家栽培米を使った玄米ベーグルを作っている。「ほ場に出るだけが農業ではない。男性に力では劣るかもしれないが、できることを堂々と行いたい」とし、コメの魅力を詰めたベーグルを消費者に届ける。
弥生さんは石川県出身。夫で同社代表の弘和さん(48)とともに、金沢市の飲食店に勤めていた。2012年、コメ農家を営む弘和さんの実家がある南魚沼市へ移住した。
特許を持つ農場経営者からレシピを教わり、ベーグル作りを始めた。大きさは直径12センチ、厚さが3センチほどで、プレーンのほか、ヨモギやイチジクを練るなど6種類の味が基本。無農薬の南魚沼産コシヒカリの玄米を炊き、国産小麦と天然酵母を合わせて蒸した一品。栄養価が高く、ビーガン(完全菜食主義者)やアレルギーを抱える人などにも受け入れられている。
ベーグルの販売に乗り出したのは、自社のコメを知ってもらいたかったから。弘和さんとコメ農家を継いだ当時は、ネット販売も盛んではなく、農家ごとに商品の個性を出すことが難しかった。
夫婦ともに調理師免許を持っていることもあり、14年に農家レストランをオープン。現在は店を畳んだが、...
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