五泉の銘菓「きなせやまん頭」
五泉の銘菓「きなせやまん頭」

 新潟県五泉市で長年親しまれながら、製造元の老舗和菓子屋の閉店で途絶えた銘菓「きなせやまん頭(じゅう)」が復活した。手がけているのは橋田の個性派スーパー「エスマート」。和菓子作り初挑戦のスタッフが「市民に愛された味を再現したい」と苦労を重ね、商品化にこぎつけた。数量限定販売だが、懐かしの味の再来に市民から喜びの声が上がっている。

 「きなせやまん頭」は140年以上の歴史を持つ老舗和菓子屋「寿々長(すずちょう)」(本町2)が1970年ごろから販売していた、黄身あんを包んで蒸し上げた和菓子。「きなせや」は五泉の方言で、「来てください」の意味だ。五泉の贈答品やおみやげ品として市民に親しまれていた。

 しかし、店主の鈴木長一さんが病気で倒れたことから2022年1月に閉店となった。長一さんは名物まん頭の行く末を気にしていて、亡くなる前に「エスマートさんに引き継いでほしい」と話していたという。

 銘菓の製造販売を引き継いだエスマートは橋田地域のスーパー。店内で作っている総菜やプリン、全国各地の商品など個性的な品ぞろえが人気の店だ。

 店長の鈴木紀夫さん(54)は、寿々長の閉店のころに、ちょうど店舗のリニューアルに合わせて店内に菓子工房を作る計画を立てていたこともあり、...

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