きり箱に収められていた120年以上前の家憲及店則
きり箱に収められていた120年以上前の家憲及店則
家憲及店則の復刻版を開く相場商事社長の相場亮嗣さん=三条市矢田

 幕末に金物卸として創業し、現在は特殊鋼の加工販売を手がける相場商事(新潟県三条市矢田)は、2代目当主が120年以上前に書き記した冊子「家憲及店則(かけんおよびてんそく)」の復刻版を製本した。生活や仕事上の心構えなどを示したもので、現代のビジネスにも通ずる大切な商人の心得がつづられている。

 相場商事は1861年、鎌など地場の金物を扱う卸商として創業。初代の婿養子に入った2代目の相場長松が、新たに鉄鋼材料の販売を始めるなど事業を発展させた。家憲及店則は長松が1903(明治36)年に書き記した。

 家憲及店則は、きり箱に収まり、三条市内の相場家に長く保管されていた。内容は家憲全8条と店則全17条で構...

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