JA県厚生連の本部が入るビル=新潟市中央区
JA県厚生連の本部が入るビル=新潟市中央区

 経営再建に取り組むJA県厚生連(新潟市中央区)は3月28日、2025年度に新潟医療センター(新潟市西区)など合わせて四つの病院・診療所の一般病床について、計216床減らす方針を公表した。診療科の見直しも進め、非常勤医師が診察する外科系を中心に廃止する。患者の利用実態に合わせた体制に再編するためで、県厚生連は「削減は休床している病床がほとんどで、患者への大きな影響はない」と説明している。

 28日に新潟市内で行ったJAグループ新潟の合同臨時総会で明らかにした。

 病院の病床削減は、新潟が74床、村上総合病院が64床、柏崎総合医療センターが59床。南佐渡地域医療センターは19床から0床とし、無床診療所にする=表参照=。病床数の変更は柏崎以外が4月から、柏崎は9月末までに実施する。

 また4月から3病院で診療科を廃止する。柏崎は呼吸器外科、心臓血管外科、精神科が対象となり、小千谷総合病院は脳神経外科、心臓血管外科、呼吸器外科を廃止。新潟は小児科をなくす。既に方針を示している村上の産科は入院機能を廃止し、分(ぶん)娩(べん)を休止する。

 施設の再編、廃止も進める。介護医療院瀬波(村上市)と、せなみ温泉クリニック(同)は村上総合病院に移設し、機能を集約する。

 28日の臨時総会では、懸念された25年度当初の資金枯渇が、県や病院立地自治体の財政支援などで回避できることも分かった。

 県厚生連はこれまで役員報酬や職員賞与のカットといった内部改革を進める一方、県と病院立地自治体には財政支援を要請。2月に県と立地9市が財政支援を決め、24年度に1・5億円、25年度に17・5億円が支出されることとなった。

 これに伴い、24年度の赤字見込みは、24年7月時点の60億円超から、最終的に35億〜40億円に圧縮される見通し。25年度の赤字も約14億円に改善する予想だ。

 26年度以降は財政支援が継続されるかは不透明だ。中期経営計画では26年度に収支均衡を目指すとした。財政支援がない中での達成は困難とみられ、計画では「(県や市と)支援について引き続き協議を実施する」と明記した。

 臨時総会後の会見で、...

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