金井西洋館をオープンさせた平田光一郎さん(中央)と家族=佐渡市金井新保
金井西洋館をオープンさせた平田光一郎さん(中央)と家族=佐渡市金井新保

 佐渡市金井新保にある大正時代の建物が、宿泊施設兼レストランの「金井西洋館」に生まれ変わった。総合建設業「まごころ本舗」(五泉市)社長の平田光一郎さん(53)が、佐渡を気に入って移住し、1年がかりで改装した。調理師免許を持つ平田さんは厨房(ちゅうぼう)にも立ち、地域に愛される施設にしようと意気込んでいる。

 建物は旧金沢村長(金井地区)も務めた医師、故・児玉喜平治(きへいじ)さんの診療棟兼住宅として約100年前に完成した。2階建てで延べ床面積約500平方メートル。外観は洋風だが、屋内の一部は床の間のある書院座敷の造りになっている。

 平田さんは趣味のスキューバダイビングのため5年ほど前から、たびたび来島するようになった。古民家好きで、知り合いからこの物件を紹介されると、「自分で改装して創作料理を出したい」との思いが募り購入した。

 本業では、新潟市を中心に150軒ほどの既存住宅を改装し販売してきた。ただ、この物件の老朽化は想定以上で、床は大半が抜け、腐っている柱もあった。

 当時の意匠を極力残すよう心がけ、残っていたたんすなどもインテリアとして配置した。購入時、外観は薄ピンク色だったが、元々はセピアグリーン色と判明。塗り替えて創建時の姿をよみがえらせた。天井を取り除いて梁(はり)を見せ、すりガラスをレストラン側の壁に移して光を取り入れる工夫もした。

金井西洋館の宿泊用の客室

 レストランは3月中旬にランチ限定でオープン。料理好きの...

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