島留学を受け入れている羽茂高校で4月7日に行われた入学式=佐渡市羽茂本郷
島留学を受け入れている羽茂高校で4月7日に行われた入学式=佐渡市羽茂本郷

 島内の高校生が減少する中、佐渡市は県外からの「島留学」による生徒の受け入れに力を入れる。実績のある羽茂高校に加え、2026年度以降は佐渡、佐渡総合高校にも受け入れを拡大する方針。25年度は922万円を計上し、生徒募集などに関わる地域コーディネーターの配置や、下宿先の整備を進める。少子化が深刻な市では、中学卒業見込み者数が今後10年間で約3分の2に減るとの試算もあり、島留学の推進で高校存続と関係人口の拡大を図る考えだ。

 市は22年度から「島留学推進事業」として、羽茂高校をモデル校に県外志願者の募集を始めた。同校では7日に入学式が行われ、1年生15人が入学。ことしは島留学で東京の中学から女子生徒1人が入った。同校では本年度を含めて通算3人が入学している。

 一方、県教育委員会の「県立高校の将来構想」によると、市内の中学卒業見込み者数は34年度が246人で、25年度から124人減る見通し。この間、市内高校の募集学級数は3学級減の8学級となる想定で、小規模校の統合も検討事項に挙がるなど、学びの場の縮小に危機感が広がっている。

 佐渡市は一般財団法人「地域・教育魅力化プラットフォーム」(島根)が運営する「地域みらい留学」制度を活用して、島留学を推進している。同財団によると、18年度に始めた同制度の参加校は年々増え、24年度は全国で145校。参加校に入学した県外からの入学者数は全国で816人(24年度)に上り、開始当初の4倍近くに膨らんだ。

 同財団は「偏差値や立地の枠にとらわれず、自分の基準で進路を考える中学生が増えている。参加を機に『選ばれる地域をつくろう』と、大人も本気で動くという好循環が各地で生まれている」と説明する。

 26年度は5人以上の入学を目標に...

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