
「城下町村上の子ども行事歳時記」を刊行した松山勝彦さん=村上市天神岡
村上市郷土資料館の元館長で、郷土史家の松山勝彦さん(80)=天神岡=が、江戸時代から伝わる祭りと、子どもとの関わりについてまとめた冊子「城下町村上の子ども行事歳時記」を刊行した。人口減少と少子化で「数百年続く伝統文化の存続が危うくなっている」と指摘。「同じ悩みを持つ地域のヒントにしてほしい」と呼びかける。
子どもの数が減り、地域の行事に影響が出ていると聞いた松山さんは昨夏、祭りが盛んな旧町人町の歴史をくむ19町内に、現状と将来の展望を尋ねた。
冊子には、節分や村上大祭、村上七夕祭りなど六つの行事を取り上げた。歴史や由来のほか、松山さんが取材した内容を写真とともに紹介している。
例えば、村上大祭の神事「荒馬」は、おしゃぎり(屋台)を先導する重要な役回り。総勢14騎の荒馬の乗り子はかつて、地元の子どもが交代しながら務めていた。しかし、2024年は地元の子どもは1人。残りは...
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