
本社工場の設備について説明する青海製作所の青海剛社長(左)。自動車関連メーカーからの試作案件が好調だ=新潟市南区
電気自動車(EV)の普及や自動運転技術の進化などにより、自動車業界は「100年に1度の大変革期」を迎えている。技術開発が急速に進み、新たなサプライチェーン(供給網)体制の模索が続く。足元ではトランプ米政権の高関税政策に揺れるが、県内のサプライヤーも変革の波に乗り遅れまいと生き残りをかける。製造業の現場を歩いた。(3回続きの3)
トヨタ自動車の関連企業をはじめ、多くの下請けは中京圏に事業所や工場を構える。新潟の製造業者にとっては「距離」が自動車産業への参入障壁となっている現実がある。高度な部品加工技術を生かすには、その壁を越える必要がある。
広い工場に所狭しと並ぶ、あらゆる種類の工作機械。測定室には、高性能の測定機がいくつも設置されていた。部品製造の青海製作所(新潟市南区)の本社工場。青海剛社長は「高精度で高い品質が求められる。積極的な設備投資で、技術力をさらに磨いていく」と力を込める。
これまで医療分野や...
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