
耕作放棄地となった田んぼを見つめる太田修二さん。耕作を続ける水田(奥)と比べても、雑草の伸びが目立つ=上越市牧区高尾
20日投開票の参院選で大きな争点となっているのがコメ問題だ。昨夏から続く価格高騰で、国民の関心は一気に高まった。本県は日本一のコメどころ。県民は値段にも品質にも敏感で、「令和のコメ騒動」を契機に、農政に対する疑問の声も出ている。消費者や生産者、流通関係者に、それぞれの思いを聞いた。(4回続きの3)
標高300メートル超、上越市牧区の高尾地区には山すそを縫うように青々とした田んぼが広がる。日本の原風景とも言える棚田だが、ところどころに草が生い茂り、手入れがされていない農地がある。
「今年はまた目立つようになってしまった」。町内会長で専業農家の太田修二さん(56)は、ため息をついた。山間(やまあ...
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