
新潟県出身の元中国残留日本兵、奥村和一さんを主人公にした映画「蟻の兵隊」の一場面(C)蓮ユニバース
胎内市(旧中条町)出身の元中国残留日本兵、奥村和一(わいち)さん(2011年死去)の姿を追ったドキュメンタリー映画「蟻(あり)の兵隊」。06年の公開から20年近くたった今も、新潟県など各地で上映され続けている。池谷薫監督(66)が近年力を入れるのが若い世代に向けた上映会だ。戦後80年を迎え、戦地での体験を語れる人が減る中「戦争がいかに人間の理性を奪ってしまうか、奥村さんの姿から学んでほしい」と語る。
太平洋戦争当時、中国山西省に駐屯していた奥村さんは、終戦後も軍の命令で現地に残り内戦を戦った。だが国は「残留は自らの意思」とし、戦後に帰国した残留兵への補償を拒否。映画は、軍の命令で残留したこと...
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