
6月から続く高温少雨で、県内の農家から悲鳴にも近い声が上がっている。特に雨水や雪解け水に頼る「天水田」では、渇水で水田が乾いてひび割れ、一部で葉が変色するなど生育に影響が出ている。主力のコシヒカリは来月以降、水が最も必要な出穂期を迎える。今後もまとまった雨が見込まれないことから、品質低下を懸念する声も。農家は「一日も早く雨が降ってほしい」と気をもんでいる。
「今は早生(わせ)の出穂期直前で水が必要な時季なのに、水がない」。山間部の上越市吉川区川谷で、農家の男性(48)はつぶやいた。天水田の地表はひび割れ、ガチガチに硬くなっていた。
共同で管理する分を含む約4・4ヘクタールのうち、約2ヘクタールが天水田だ。ため池の水はわずかに残るだけで、田んぼに引き込む量がない。「水田のひびが大きくなると根が切れ、養分が吸えなくなる」と顔を曇らせる。

新潟地方気象台によると、7月17日までの県内の20日間降水量は、44の観測地点のうち37地点で平年の10%以下にとどまった。
男性は「6月下旬から1カ月以上まとまった雨が降っていない。あと10日間このままなら、稲が枯れてしまう」と下を向いた。
既に稲の生育に影響が出ている天水田もある。出雲崎町の男性(54)の田んぼの一部は葉が黄色く変色した。「せっかく育ててきたのに、何のためにやってきたのか」とやりきれなさをにじませる。

十日町市の男性(74)は消雪パイプの水を利用できるよう市に要望した。「沢からポンプで一部水を引っ張ったが、限界がある」と話した。
主力のコシヒカリはこれから本格的な出穂期を迎える。用水を使う田んぼでは今のところ大きな被害は出ていないが、先行きに不安の声が上がる。
南魚沼市で4ヘクタールのほ場を管理する男性(54)は「30年くらい農業をしているが、こんなに暑い日が続くのは初めて」と打ち明ける。
新潟地方気象台によると、...