胆汁や手のひらの取引が証言されたツキノワグマ(研究チーム提供)
 胆汁や手のひらの取引が証言されたツキノワグマ(研究チーム提供)
 朝鮮半島や中国、ロシアに生息する絶滅危惧種のオナガゴーラル(研究チーム提供)
 韓国側から見た軍事境界線の「板門店」(研究チーム提供)

 北朝鮮では絶滅の危機にある野生生物が狩猟・捕獲され、政府自らが違法な取引に関与している疑いが強いとする調査結果を英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンなどの国際研究チームが発表した。根拠としたのは脱北者へのインタビュー。証言からは中国との間で急成長する闇市場の存在も浮かび上がる。ベールに包まれた国だけに、環境団体などは「北朝鮮の実態を知る重要な成果だ」と口をそろえる。

 ▽大きな脅威

 「世界の野生生物の違法取引額は、年間690億~1990億ドル(約10兆~29兆円)と推定される」。国連の科学者組織「生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)」は2022年の...

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