
トランプ関税の影響下でも生産を続けるデニム工場で製品を手にする幹部=7月、レソトの首都マセル(共同)
「トランプ大統領がやっていることは正しい」。米政権に一時、高関税を突き付けられたアフリカ南部レソトで縫製工場経営者から思いがけない一言を聞いた。対米輸出に依存する繊維業界は関税発動に翻弄されていると思い込んでいた。
レソトは周りを南アフリカに囲まれた内陸国。7月上旬に首都マセルの工業団地を訪れると、沈痛な空気が漂っていた。複数の工場が操業を止め、従業員が一時解雇されていた。関税の影響は目に見えて深刻だった。
ところが、一角にもうもうと煙を吐く工場がある。気になって訪ねてみると、台湾出身の経営者ユージニア・チャンさんが「米国は価格競争が激しい。10年以上前に見切りを付けていた」と、誇らしげに語...
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