
核戦争防止国際医師会議(IPPNW)理事のティルマン・ラフさん
気候危機が深刻化する中、日本をはじめ複数の国が原子力発電の拡大に関心を示している。世界銀行はこれまで避けてきた原子力発電所への融資を決定し、アジア開発銀行(ADB)も同様の方針の採用を検討中だ。しかしこれには重大なリスクと問題が伴う。
二つの国際金融機関はこれまで、安全性の懸念や核拡散リスク、放射性廃棄物問題などを理由に原発融資を停止していた。
原子力開発は核兵器能力と密接に結びついている。インドや北朝鮮は使用済み核燃料からプルトニウムを抽出して核兵器を製造した。核燃料用の濃縮ウランを生産する施設を保有すれば、兵器級濃縮ウランの入手が比較的容易になる。パキスタンとイランがその例だ。
さらに近...
残り975文字(全文:1275文字)











