【パグウォッシュ会議】遠い核廃絶、発信力懸念

　広島市で開かれたパグウォッシュ会議の世界大会が５日、閉幕した。大会は紛争当事者間での対話の場を設けるなど一定の役割を果たした。最終日の広島宣言は「重大な分岐点」と不透明さを増す世界情勢に警鐘を鳴らしたが、被爆者が願う核兵器廃絶の道筋は見通せない。会議の発信力に懸念の声も上がった。

　▽繰り返し

　「核兵器が再び使われるかもしれない。同じ会議や談話、希望的観測を繰り返しているが何も変わっていない」。初日の公開討論で、会場に切迫した声が響いた。

　日本原水爆被害者団体協議会（被団協）や核兵器廃絶国際キャンペーン（ＩＣＡＮ）、核戦争防止国際医師会議（ＩＰＰＮＷ）にパグウォッシュ会議と、討論にはノーベル平...