中国・ハルビンで発見されたデニソワ人の頭骨の化石(国際科学誌イノベーション提供)
 中国・ハルビンで発見されたデニソワ人の頭骨の化石(国際科学誌イノベーション提供)
 デニソワ人と特定された下顎の化石(海部陽介・東京大総合研究博物館教授提供)
 デニソワ人の想像図(孫正涵氏作成)

 中国科学院などの研究チームが、中国東北部のハルビンで1933年に発見された頭骨の化石を絶滅した旧人「デニソワ人」と特定しました。「謎の人類」とも呼ばれる旧人の頭骨が確認されたのは初めてです。

 Q デニソワ人?

 A 2008年にシベリア・デニソワ洞窟の4万8千年前~3万年前の地層から手の指の骨片などが発見され、存在が明らかになりました。その後、過去に中国のチベット高原や台湾沖の海底で見つかっていた化石も相次いでデニソワ人と確認されました。

 Q なぜ謎なの?

 A これまで見つかっているのは歯や指の骨などの断片的な化石がほとんどで、実際の姿形や分布域、生活の様子が分かっていないためです。

 Q 今回...

残り437文字(全文:737文字)