胃の模型を使い、スイス菌の感染部位を示す杏林大の徳永健吾教授=東京都三鷹市
 胃の模型を使い、スイス菌の感染部位を示す杏林大の徳永健吾教授=東京都三鷹市
 スイス菌(左)とピロリ菌の電子顕微鏡写真(杏林大提供)
 スイス菌による胃炎の内視鏡写真。粘膜を見やすくするため青い色素で染色してある(杏林大提供)
 人間ドック受診者の調査

 胃がんの原因の大半はピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)であることは知られるようになってきたが、胃に感染している細菌はピロリ菌だけではない。杏林大(東京)などのチームは、同じヘリコバクター属のほかの細菌も少なからず感染しており、全例で胃炎を起こすことを、国内の4病院が参加する実態調査で明らかにした。潰瘍やリンパ腫を起こすこともあり、こうしたピロリ菌以外の胃病原菌に今後注目が集まりそうだ。

 ▽スイス菌

 かつては強酸性の胃酸に満ちた胃に細菌はすめないとされてきたが、1980年代にオーストラリアの研究者が胃から見つかったピロリ菌の病原性を確認して以来、研究が進んできた。ピロリ菌は、免疫が未発達の幼児...

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