滝行に臨む参加者たち。真夏でも冷気に包まれ「爽快な気分」だという=柏崎市善根
滝行に臨む参加者たち。真夏でも冷気に包まれ「爽快な気分」だという=柏崎市善根

 県内各地と同じように、柏崎地域でも連日、猛暑日や真夏日を記録するなど、うんざりするような暑さが続いている。海や滝、沢など暑さを和らげてくれる水辺のスポットや、そこで体験できるアクティビティを紹介する。(3回続きの3)

<中>猩々洞(柏崎市)日本海の荒波が生み出した“神秘の洞窟”

 落差72メートル。切り立った山肌を伝って冷水が勢いよく流れ落ちてくる。水しぶきが飛び散り、ひんやりとした空気が漂う。

 柏崎市善根(ぜごん)にある「善根の不動滝」は信仰の対象として、住民に大切にされてきた。滝つぼの脇には、善根出身の力士・柏戸関が明治時代に寄進したとされる不動明王の石像が、どっしりと構える。

 地域の名所である不動滝が滝行に使われているのは、あまり知られていないようだ。真珠院(柏崎市西長鳥)は、夏の間だけ希望者を募って案内している。参加者は簡単な心構えを聞いた後、白装束に身を包んで冷水を浴び、雑念を振り払う。

 品田阿文(あもん)副住職(31)は「滝行により人間が生まれ変わるという意味がある。全国から申し込みがあります」と話す。インターネットや交流サイト(SNS)を通じて、滝行は静かな人気だという。

滝行に臨む参加者たち=柏崎市善根

 この日は、長野県の若い男性3人組が滝行に臨んだ。1人ずつ一礼して不動滝の中に入り、呼吸を整えた。お経に合わせて合掌し、冷水に打たれ続ける。滝から上がると「気分爽快だね」「寒いぐらいだ」と語り合った。

 公務員の男性(28)は「人生のターニングポイントを迎えて、自分を見つめ直したかった。これで生まれ変われたと思います」と笑顔で話した。

 品田さんは「滝行を体験し、若い人にも仏教を肌で感じてもらえればうれしい」と語った。...

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