閉鎖された羅臼岳登山口へ通じる道路=20日午前、北海道斜里町
 閉鎖された羅臼岳登山口へ通じる道路=20日午前、北海道斜里町
 クマ鈴をつけて遊歩道を歩く観光客=20日午後、北海道斜里町
 「知床五湖」の高架木道を歩く観光客=20日午後、北海道斜里町
 ヒグマの出没注意を呼びかける看板=20日午後、北海道斜里町
 ヒグマと適切な距離を保つことを呼びかける看板。羅臼岳登山口に向かう道に設置されている=20日午前、北海道斜里町

 北海道・知床の羅臼岳で登山客がヒグマに襲われて死亡した事故から21日で1週間。ヒグマとの共存を掲げて観光に依存する世界自然遺産の地は、2022年の観光船沈没事故からの回復を目指してきたが、襲撃事故後は入山規制が遅れたとの批判も出て、観光客の予約取り消しが相次ぐなど困難に見舞われている。手つかずの大自然に潜むリスクが再びあらわになった。

 ▽衝撃

 「登山シーズン真っただ中の事故で大損失。羅臼岳が規制されている限り、お客さんは戻らない」。登山道に近い斜里町ウトロ地区の宿泊施設で、代表の男性は肩を落とした。事故後、8月分の予約の半数がキャンセルに。「クマが怖い」「山に登れないなら他の所に行く」。客た...

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