配管の劣化による水漏れが起きた東京科学大病院の職員用給湯所=7月、東京都文京区
 配管の劣化による水漏れが起きた東京科学大病院の職員用給湯所=7月、東京都文京区
 東京科学大病院の築40年を超えた歯科の建物で、壊れたまま「使用不可」の紙が貼られた治療用のいす=7月、東京都文京区
 東京科学大病院の築40年を超えた歯科の建物で、壊れたまま「使用不可」の紙が貼られた治療用のいす=7月、東京都文京区
 国立大病院の経常損益の推移

 地域の高度医療を担う国立大病院が経営危機に陥っている。2024年度の決算で、経常損益の赤字総額は285億円。国立大の法人化以降、最大となった。医薬品、医療機器などの物価高騰や人件費増加が影響しており、病院関係者は「このままでは病院がつぶれかねず、地域医療の崩壊を招く」と懸念する。

 ▽使用不可

 「最新機材が使えず、故障も多い」。東京科学大病院(東京都文京区)の新田浩首席副病院長は窮状を明かす。築40年を超えた歯科の建物には、壊れたまま「使用不可」の紙が貼られた治療用の椅子が置かれていた。職員用の給湯所では配管が劣化して水漏れが起き、傷んだ椅子や床が目立つ。

 決算をまとめた国立大学病院長会議によ...

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