修繕作業を終え、鮮やかな輝きを取り戻した旧新潟交通電車線の「かぼちゃ電車」=新潟市南区月潟
修繕作業を終え、鮮やかな輝きを取り戻した旧新潟交通電車線の「かぼちゃ電車」=新潟市南区月潟
「かぼちゃ電車」の修繕の様子=新潟市南区月潟
「かぼちゃ電車」の修繕の様子=新潟市南区月潟
座席シートや塗装も新調された旅客車「モハ10形」の車内=新潟市南区月潟
座席シートや塗装も新調された旅客車「モハ10形」の車内=新潟市南区月潟
色鮮やかに塗り替えられた電動貨車「モワ51形」の車内=新潟市南区月潟
色鮮やかに塗り替えられた電動貨車「モワ51形」の車内=新潟市南区月潟

 新潟市南区の旧月潟駅で保存されている「かぼちゃ電車」が、約半年間の大規模な修繕作業を終えた。鮮やかな黄色と緑によみがえった車体が公開され、ファンから「運行当時の記憶がよみがえる」と喜びの声が上がっている。

 新潟市と燕市を結んだ新潟交通電車線は1933年に開通。沿線住民の移動をはじめ、農作物や金物などの輸送手段として活躍したが、99年に廃線になり、現在は旧月潟駅の駅舎と車両3両が保存されている。

 車両の補修や塗装などのメンテナンスは、愛好家や地元住民らでつくる保存会がボランティアを担ってきた。車体のさび付きや腐食、雨漏りなどが進み、会員の手作業だけでは対応が難しくなっていた。

 車両を所有する市はことし、観光資源としての活用を見込み、約4000万円を投じて、初めての大規模修繕を実施した。2月下旬から、車体内外の再塗装や外板の張り替え、傷んだドアや床下の木材の交換などが行われた。

 作業内容の監修には保存会も協力。象徴的な車体カラーである、かぼちゃの果肉のような赤みを帯びた黄色は、市販の塗料では再現が難しいため、保存会がメーカーに特注した塗料が用いられた。

 生まれ変わった車体を前に、保存会の平田翼会長(33)は「歴史的な車両をより長く残せることになり、ありがたい」と目を細める。「イベント開催を増やし、さらに多くの人にかぼちゃ電車に親しんでもらいたい」と意気込んだ。

 電車の外観は旧月潟駅で常時公開されており、内部はイベント時などに見学できる。直近では...

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