
黒潮大蛇行の陸地への影響を説明する東北大の杉本周作准教授
日本の太平洋岸を流れる黒潮の流路が変わり、南に大きく迂回する「大蛇行」。近年のスーパーコンピューターを使ったシミュレーション技術の進歩などにより、陸上の気象に大きな影響を与えるメカニズムが分かってきた。特に顕著な影響が見られるのが関東地方や東海地方。夏の気温上昇や雨量の増加と密接に関係していた。
▽最長期間
黒潮は世界最大級の海流で、幅は約100キロ、流れは速いところで秒速2メートル以上、運ばれる海水は毎秒約5千万トンにも上る。赤道付近の暖かい海水を北に運び、地球規模の気温調節に重要な役割を果たしている。
気象庁によると、2017年8月に紀伊半島沖で日本沿岸から遠ざかる大蛇行が発生し、現在ま...
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