当選を決め、支援者と満面の笑みでグータッチをする花角英世さん=29日午後8時過ぎ、新潟市中央区
当選を決め、支援者と満面の笑みでグータッチをする花角英世さん=29日午後8時過ぎ、新潟市中央区

 29日に投開票された新潟県知事選は、現職の花角英世さん(64)が圧勝した。分厚い布陣で安定した戦いを展開した花角さんは「暮らしやすい新潟を約束する」と2期目に気を引き締めた。

 「明日から再び新しい県政を始めていく。職責の重さを今、実感している」。花角さんは新潟市中央区のホテルに集まった支援者を前に、真剣な表情で2期目への決意を述べた。

 午後8時。投票が締め切られた直後、ニュース速報で「当選確実」が伝えられると、会場は拍手が湧き起こり、大きな歓声に包まれた。

 花角さんは、支援者らと笑顔でグータッチを交わしながら田枝(たえ)夫人と共に登場。ヒマワリやバラなど色とりどりの花を振って喜ぶ女性や、県内各地を共に回ってきた後援会のメンバーら、約250人の支援者に囲まれ、万歳を繰り返した。

 「県内各地を回り、大勢の方からさまざまな支援を頂いた。皆さんの反応が支えだった」。花角さんは壇上から、繰り返し感謝を口にした。

 国政与党の自民、公明両党のほか、一部野党や連合新潟も支援する分厚い布陣で終始安定した戦いを進め、圧勝した。

 選挙戦で県内各地の魅力を挙げながら、「住んでよし、訪れてよしの新潟県」の実現を訴えてきた花角さんは、「魅力ある暮らしやすい新潟を目指す」と胸を張った。

 引き続き県政のかじ取り役を担うが、新型コロナウイルスの感染対策や経済の回復、人口減少対策など課題は山積みだ。

 さらに、2期目の任期中に原発再稼働の可否の判断を迫られる可能性もある。花角さんは「県独自の『三つの検証』を進めている。判断の結果を得たのちに私の考えを説明し、県民の意思を確認する」と、これまでと同様の考えを示した。

 次の4年間に向け、気を引き締めた表情の花角さんは「新型コロナウイルスの感染拡大の中で傷んだ経済を元気にし、災害から県民の命を守る」と意気込んだ。