「ワイルドアジア」の支援で、農薬に頼らない生産が行われているアブラヤシ農園=2025年6月28日、マレーシア・ボルネオ島(共同)
 「ワイルドアジア」の支援で、農薬に頼らない生産が行われているアブラヤシ農園=2025年6月28日、マレーシア・ボルネオ島(共同)
 アブラヤシの実がぎっしり付いた果房を鎌で収穫する様子=2025年6月28日、マレーシア・ボルネオ島(共同)
 熱帯雨林を切り開いて造られた大規模なアブラヤシ農園(左下)。上空からも区画が分かる=2025年6月28日、マレーシア・ボルネオ島(共同)
 小規模農園への支援について説明する「ワイルドアジア」のロク・イエンチさん=2025年6月28日、マレーシア・ボルネオ島(共同)
 日本の植物油供給量

 世界で最も多く生産される植物油は、アブラヤシの実から採れるパーム油だ。日本国内でも菜種油に次ぐ量が供給され、マーガリンなどの原料になっている。主要産地のマレーシア・ボルネオ島では、ヤシ農園開発による熱帯雨林の減少や土壌汚染が問題とされてきた。環境に配慮した栽培法への転換は特に小規模農家で遅れていたが、地元で活動する企業の支援で前向きな動きが出ている。

 ▽オレンジ色

 6月、ボルネオ島北部の小規模なアブラヤシ農園を訪ねた。高さ10メートルを超す木が並んでいる。

 木の先端付近の葉を長い柄の鎌でザクザクと切り落とすと、表面をとげで覆われた赤黒い塊(果房)が現れた。一つの果房には5センチほどの実がびっ...

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