慢性腎臓病の遺伝子解析に取り組む東京科学大の蘇原映誠准教授=東京都文京区
 慢性腎臓病の遺伝子解析に取り組む東京科学大の蘇原映誠准教授=東京都文京区
 慢性腎臓病患者に潜在する遺伝性腎疾患

 慢性腎臓病の原因が明らかでないまま成人期に透析を開始した患者を対象に遺伝子解析をした結果、約10%の患者で遺伝性の腎疾患が特定できたことが、東京科学大などのチームの研究で明らかになった。そのうち約半数では病気の進行を抑えられる治療法が既にあることから、チームは「透析になる前の段階で原因が分かれば、透析導入を先延ばしできる可能性がある。透析患者の減少にもつながる」と指摘している。

 ▽7人に1人

 血液中の老廃物をこす腎臓の働きが健康な人の60%未満に低下するか、タンパク尿が出る異常が続く慢性腎臓病は成人の7人に1人を占める。進行すると人工透析が必要となり、国内で約34万人が透析を受けている。慢性...

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