
「おそ松くん」は、ボクが好きだったアメリカの喜劇映画の影響で、テンポの速いスラプスティック(ドタバタ調)に徹したんだ。当時は落語調ののんびりしたギャグが多かったから、新鮮に受けとめられたんだね。
当時、昭和30年代後半から40年代にかけては「戦後の記憶」と「高度成長」が重なり合う時代だった。だから「食べ物をめぐるけんかの場面」は「戦後の飢餓感」への共感を生んだし「六つ子の兄弟」は「核家族化、ひとりっ子」の裏返しだったんだ。
個性の強い脇役もどんどん出した。「イヤミ」は、フランスにちょっと行ってきた雑誌記者が、やたらと「フランスでは…」って連発するから、イヤミなやつだなあと...
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