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 ボクが立て続けにヒットを飛ばすことができたのは、人のやらない分野を探して開拓したからだと思うよ。

 昭和42年、少年マガジンで「天才バカボン」を始めたときは「バカ」を主人公にしようと思った。差別と誤解されないように、ナンセンス路線で、突き抜けた笑いを追求したんだ。

 同じ年に少年サンデーで始めた「もーれつア太郎」は、任侠ものでいこうと決めた。ちょうど学生運動のころで、いじめられても決してメゲないハニャロメと、目玉つながりの警官のけんかが共感を呼んだよ。

 全共闘で「ニャロメ派」と名乗った小グループが出て話題になったりした。ボクは感覚的に時代の空気を掴むんだね。

 忙しいときで週刊...

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