
お酒を飲むようになったのは、昭和40年ごろからだ。それまで好きじゃなかったんだよ。きっかけは編集の連中さ。当時の編集者って、侍みたいなやつばっかりなんだ。アシスタントにセリフやコマ割りを渡したら、毎晩のように「行ってきまーす」だった。
飲み屋から、月200万円の請求書がきたこともあるよ。酔った勢いで、唐十郎に赤テントも寄付しちゃった。200万円ぐらいという話が、後日来た見積もりは600万円。仕方なく出したよ。
唐十郎といえば「おそ松くん」のころ、売れる前のあいつが原作を持ち込んで来たことがあったなあ。長過ぎて断ったんだけど、後に「唐版・風の又三郎」で日の目を見た。
ボクは...
残り795文字(全文:1095文字)