
人形修理の技法を説明する和久田優子さん=京都市
戦争を体験してはいないけれど、惨禍の記憶を伝えなければ―。太平洋戦争終結から80年。当事者の高齢化が進む中、原爆や空襲、戦地の実相に耳を傾け、記録し、平和への願いを受け継ごうと、各地で奔走する戦後世代。広島被爆資料のレプリカを制作している京都市の和久田優子さん(61)と、東京・武蔵野空襲被害を継承する牛田守彦さん(63)に話を聞いた。(共同通信=上田麻由佳、編集委員・福島聡)
▽遺品が語る思い、伝える―広島被爆資料のレプリカを制作する京都市の和久田優子(わくた・ゆうこ)さん(61)
文化財などの修理やレプリカ作成に30年以上携わってきた。京都市の自宅兼アトリエを拠点に、広島平和記念資料館の被爆...
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