「子宮外妊娠」の啓発活動に取り組む医師フォックス岡本聡子さん(本人提供)
 「子宮外妊娠」の啓発活動に取り組む医師フォックス岡本聡子さん(本人提供)
 オンラインで取材に応じるフォックス岡本聡子さん=7月
 (日本医療安全調査機構の「医療事故の再発防止に向けた警鐘レポートNo.3」より)
 宋美玄さん=9月2日

 妊娠したはずなのに、子宮に赤ちゃんの姿が見当たらない。医師から告げられた病名は「子宮外妊娠」。深く考える間もなく緊急手術が決まり、赤ちゃんを失う―。そんな経験をする女性は、実は少なくない。

 子宮外妊娠は、学術的には異所性妊娠という。確率は全妊娠の1~2%程度で、100人に1人と考えると、それほど珍しくない。妊娠は続けられない上、発覚が遅れると母体の命にも関わり、実際に死亡例もある。

 完全な予防法はないが、知識や検査でリスクを下げることはできる。性感染症を避けるため、普段からコンドームを正しく使うこと。生理不順や下腹部の痛み、性器からの出血があれば、とにかく早めに受診すること―。さらに、子宮外...

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