
静岡大の白井千晶教授(本人提供)
第三者の卵子や精子を使った不妊治療「提供型特定生殖補助医療」。その枠組みを定める法案が先の国会に提出された後、審議入りせずに廃案になった。背景には、法案で治療の対象外とされた同性や事実婚のカップル、さらには第三者提供精子による人工授精(AID)で生まれた子どもらからの強い反発があった。怒りの声を上げた当事者らに話を聞いた。(共同通信=村越茜、小川美沙)
▽国に線引きされ「つらい」
30代の会社員真理さん=仮名=は、同性パートナーの咲さん=同=と、2歳の息子の亮君=同=と都内で暮らしている。亮君は精子提供で授かった。
2人は約1年間悩み話し合い、子どもを持とうと決めた。しかし、真理さんに婦人科...
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