
旧優生保護法問題の第1回検証会議=1日午後、東京都千代田区
旧優生保護法下で起きた強制不妊手術問題の検証会議が始動した。「戦後最大の人権侵害」の全体像を明らかにし、障害者らへの差別が起きた背景や根本原因を解明できるのか。モデルとなるのは、被害者の声を重視し幅広い社会課題を明らかにしたハンセン病問題の検証会議。専門家は「今も社会に残る優生思想に切り込んでほしい」と期待を寄せる。
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1日の初会合後に記者会見した座長の松原洋子立命館大大学院特任教授(生命倫理)は「検証には事実の正確な把握が不可欠だ」と述べた。
旧法問題は被害者側が起こした国家賠償請求訴訟で光が当たり、国会は2023年に調査報告書を公表した。だが、医療機関や福祉施設の調査は進まず、...
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