
スポーツ庁が発足し、看板の除幕式を行う鈴木大地初代長官(左)と下村文科相=2015年10月、文科省
スポーツ庁は1日で設置から10年。2021年の東京五輪・パラリンピックに向け、軸足を置いてきたトップ選手強化では一定の成果を上げてきた。一方、進捗にばらつきがある公立中学校の部活動の地域展開(地域移行)は道半ば。国民全体のスポーツ実施率は伸び悩み、河合純一新長官の下、振興面で存在感を示せるのかどうかが問われる。
▽支援充実
ブエノスアイレスでの国際オリンピック委員会(IOC)総会で、東京五輪開催が決まった13年9月7日。高揚感に包まれた現地の祝賀会で、後に五輪相となる遠藤利明衆院議員は、安倍晋三首相(当時)に「選手強化には組織が必要」と直談判した。安倍氏は「ぜひ、つくりましょう」と即答。スポ...
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