
特殊詐欺被害額の推移
交流サイト(SNS)で緩やかにつながる「匿名・流動型犯罪グループ(匿流)」は秘匿性の高い通信アプリで連絡を取るため、捜査で指示役にたどり着くのは困難だった。1日に新体制を発足させた警察庁と警視庁は、全国から集めた匿流関連のあらゆる情報と捜査員をフル活用して「包囲網」を築き、組織解体に追い込む考えだ。
▽正念場
「匿流対策の成否が治安に大きな影響を与える。今が正念場だ」。警察庁の楠芳伸長官は同日、庁内で開かれた発足式でこう強調した。
匿流が関与しているとみられる被害は悪化の一途をたどる。特殊詐欺は今年1~7月で722億1千万円(暫定値)と、通年で過去最悪だった昨年の718億8千万円(確定値)を...
残り721文字(全文:1021文字)