
作曲家でレクイエム・プロジェクト代表の上田益さん
長野冬季五輪の公式楽曲などを手がけてきた作曲家の上田益さん(69)は、2008年から自然災害や戦災、原爆の犠牲者を追悼し、人や地域をつなぐ合唱プロジェクト「レクイエム・プロジェクト」を行っている。被爆80年の今年、広島と長崎でコンサートを開催。戦後に生まれ、被爆地出身でもない上田さんが活動を始めたきっかけとは―。作曲家を目指した経緯や、プロジェクトについて語ってもらった。(聞き手 共同通信=下道佳織)
▽「原爆の図」見て育つ
大阪府豊中市で生まれ、父方の祖父は高野山(和歌山県)にある成福院の住職でした。祖父は1941年に南方仏教の研究と修行のためタイの寺院に入り、その後ビルマ(現ミャンマー)...
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