BPO放送倫理検証委員会の初代委員長として、多くの問題提起を重ねた川端和治さん=2025年8月、東京・虎ノ門
 BPO放送倫理検証委員会の初代委員長として、多くの問題提起を重ねた川端和治さん=2025年8月、東京・虎ノ門
 BPOの放送倫理検証委員会が発足、記者会見する川端和治委員長(右から3人目)ら=2007年5月、東京・千代田放送会館
 「クローズアップ現代」に関する意見書を発表したBPO放送倫理検証委員会の川端和治委員長(左から2人目)ら=2015年11月、東京・千代田放送会館
 川端和治さん=2025年8月、東京・虎ノ門

 テレビ・ラジオ局が問題を起こしたとき、しばしば登場するのが放送倫理・番組向上機構(BPO)だ。放送を取り締まる「お目付役」といったイメージを抱く人も、多いかもしれない。しかし、BPO放送倫理検証委員会の委員長を長年務めた弁護士の川端和治(かわばた・よしはる)さん(79)は「放送の自由を守るためにある」と言い切る。どういうことか―。(共同通信編集委員・原真)

 ▽キーワードは「自律」

 川端さんによれば、放送のキーワードは「自律」だ。川端さんは語る。

 「放送の内容については、各局が自ら決めた番組基準に従い、自主的に規律する制度になっています。国が規制に乗り出せば、表現の自由が損なわれるからです。で...

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