長崎を訪問された愛子さま=9月13日(代表撮影)
 長崎を訪問された愛子さま=9月13日(代表撮影)
 黄島の「鎮魂の丘」で献花される天皇、皇后両陛下=4月7日、東京都小笠原村(代表撮影)
 沖縄県平和祈念資料館で証言の展示に見入る天皇、皇后両陛下と愛子さま=6月4日、沖縄県糸満市(代表撮影)
 沖縄県平和祈念資料館にある「展示むすびのことば」(同資料館提供)
 広島平和記念資料館(原爆資料館)で被爆者や伝承者と懇談される天皇、皇后両陛下=6月19日、広島市(代表撮影)
 広島原爆資料館に展示されている、13歳の少年が持っていた弁当箱。父親が弁当箱だけ見つけて、遺骨の代わりに砂を入れて持ち帰った。「親子は結局会うことがかなわなかった」との説明に、皇后さまは「残念なことでした」と言って、いつまでも見つめていたという。(寄贈/竹田俊二、竹田昭義 所蔵/広島平和記念資料館)
 原爆落下中心地碑に供花される天皇、皇后両陛下と愛子さま=9月12日、長崎市
 長崎原爆資料館を見学される天皇、皇后両陛下と愛子さま=9月12日、長崎市
 訪問を終え、長崎空港で見送りを受けられる愛子さま=9月13日(代表撮影)

 天皇、皇后両陛下と愛子さまは長崎訪問を終えられ、「戦後80年」の一連の訪問は終了した。各地で交流した若者たちは、「戦争を知らない第3世代の天皇家」と立場は同じ。長い戦後の時を超えて、いま、平和のため、天皇家に何が求められるのか。旅に関わった人々の声を聴いた。(共同通信=大木賢一)

 ▽慰霊だけでは限界

 20年近く皇室を取材してきた私は、天皇、皇后両陛下は両親である上皇ご夫妻の行いに固執することなく、自分世代ならではの、戦争との向き合い方を示していくべきだと常々思っていた。

 旅の始まりは太平洋戦争の激戦地・硫黄島(4月)だったが、ここは、かつて上皇ご夫妻も慰霊に訪れたことがある。どんな訪問になる...

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