ほぼ寝たきりの状態になったのに、障害年金を不支給と判定された柴山恵里さん(仮名)=9月、大阪市
 ほぼ寝たきりの状態になったのに、障害年金を不支給と判定された柴山恵里さん(仮名)=9月、大阪市
 日本年金機構の本部=4月、東京都杉並区
 柴山恵里さん(仮名)に届いた障害年金の不支給通知。「疼痛などによる影響」を理由の一つに挙げている
 柴山恵里さん(仮名)の手足はやせ細っていた=9月、大阪市
 厚生労働省が入る合同庁舎=2023年12月、東京都千代田区
 社会保険労務士の安部敬太さん=10月
 日本年金機構の障害年金センター=4月、東京都新宿区

 大阪市に住む柴山恵里さん(58)=仮名=は2022年、新型コロナウイルスに感染した。それまでは会社員として普通に暮らしていたが、コロナ後遺症と背骨のゆがみなどで全身に激痛が走るように。どんどん悪化していき、車いすからほぼ寝たきりの生活になってしまった。身体障害者手帳は最重度の1級と認定され、国の障害年金を申請した。

 ところが、支給対象の等級に満たないと判定され、「不支給」の通知が届いた。

 「この状態で不支給って、なんで?」

 理不尽に思えるが、記者が取材すると、障害年金の制度ではある意味、必然と言えることが分かった。背景には、制度の構造的な問題がある。(共同通信=市川亨)

 ▽コロナに感染「まさ...

残り3152文字(全文:3452文字)