愛媛県内で最後に捕獲されたニホンカワウソの☆(刈のメが緑の旧字体のツクリ)製を紹介する学芸員の小林真吾さん=8月、愛媛県新居浜市
愛媛県内で最後に捕獲されたニホンカワウソの☆(刈のメが緑の旧字体のツクリ)製を紹介する学芸員の小林真吾さん=8月、愛媛県新居浜市
愛媛県内で最後にニホンカワウソを見つけた場所を示す水田亮さん=9月、愛媛県宇和島市九島
ニホンカワウソについて取材に応じるNPO法人理事長の山本貴仁さん=8月、愛媛県西条市
ニホンカワウソがいそうな場所を双眼鏡で調べる千葉昇さん=10月、愛媛県西予市

 ニホンカワウソは、愛らしい姿で愛媛県の県獣として長年親しまれてきた。環境省はレッドリストで絶滅種に指定しているが、愛媛県では生息状況などを基にした県独自の判断で絶滅危惧種にとどめてきた。しかし、愛媛での最後の生息確認から今年で50年。その後も目撃情報は寄せられたが、最近はほとんどない。

 ニホンカワウソはどこへ行ったのか。どこかで生き残っていて―。地元住民らの祈りは届くのか。絶滅の判断を巡り、行政や専門家の思惑が交錯する中、ニホンカワウソの現状を追った。(共同通信=英佳那)

 ▽2012年に絶滅種に

 ニホンカワウソは、海や川の岸に巣穴を掘って生息する。かつては国内に広く分布していたが、明治時代以...

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