
金星探査機「あかつき」のイメージ(JAXA提供)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した無人の金星探査機「あかつき」が、2025年9月に約15年の運用を終え、引退した。日本の探査機として初めて、地球以外の惑星を周回。最初の軌道投入時に主エンジンが故障する重大なトラブルに見舞われたが乗り越え、金星の大気を観測して積年の謎の一端を解明する成果を上げた。
▽謎多い「双子星」
金星は、太陽系で地球のすぐ内側を回る惑星。二酸化炭素(CO2)を主成分とする分厚い大気に覆われ、表面は約460度の高温になっている。
上空の大気は自転の60倍もの速さで流れており、この現象は「スーパーローテーション」と呼ばれるが、仕組みには謎が多い。
一方で金星は地球と同...
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