古代文字の資料を調べる宮川創さん(本人提供)
 古代文字の資料を調べる宮川創さん(本人提供)
 古代文字の資料を調べる宮川創さん

 宮川創さんの元には、消滅の危機にひんした言語を保護したいという人々からの協力要請が相次ぐ。台湾の少数民族が話すタロコ語や、日本の琉球諸語などがその例だ。話者が激減する中、デジタル技術で言語を記録するだけでなく、後継者を育成するための支援ツールの開発などに奔走する。

 宮川さんによると、話し手が途絶えた古代エジプト語とは異なり、現在も使われる言語を分析する上で重要なのが発音だ。舌打ち音など、日本語や英語にない特殊な発音も存在するため、音声データの波形の解析や、発音を世界中の言語の音を統一的な基準で表す「国際音声記号」に置き換えるなどして、デジタルデータを積み上げていく。

 宮川さんは語彙や文法など...

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