
久しぶりに再会した平田和毅(中央)らをスマートフォンを掲げて撮影する谷口莉乙(左から2人目)。右から狩野はな、中学時代の担任の曽我部昌広、左端は本間大雅=2025年8月、札幌市(撮影・藤井保政)
8月最後の土曜日。札幌市の大学生谷口莉乙(たにぐち・りお)(20)は、JR札幌駅で狩野(かりの)はな(20)、本間大雅(ほんま・たいが)(21)と合流し、近くの札幌弁護士会館に向かった。中学時代の教室での日常について市民集会で話すためだ。
3人が北海道旭川市の市立中に通っていた当時、同じクラスには重度の知的障害を伴う自閉症の平田和毅(ひらた・かずき)(20)、通称カズがいた。カズの両親は地元の教育委員会から、特別支援学校が適していると伝えられたが「親が死んだ後も地域で暮らせるよう、地元の大人や友だちと関係を築いてほしい」と考え、通常学級で学ばせる選択をした。
3人はカズの友だちだ。集会では、...
残り1969文字(全文:2269文字)















