京都大の野田口理孝教授
 京都大の野田口理孝教授
 縁遠い植物の接ぎ木標本を掲げる野田口理孝さん=名古屋市千種区
 接ぎ木のイメージ

 種類の異なる植物をつなげ、一つの個体として育てる「接ぎ木」は、お互いに性質が似た近縁種でしか成立しないと考えられてきた。京都大の野田口理孝教授(45)はそんな常識を覆し、遠縁の植物でも接ぎ木ができることを突き止めた。

 接ぎ木は2千年以上の歴史があるとされる。トマトやブドウなどの農作物の栽培で利用が盛んだ。複数の植物の「いいとこ取り」ができるメリットがあり、短期間での収穫量の増加や病害虫への耐性向上を期待できる。

 もともと植物内部での物質移動に興味があった野田口さん。遠縁の接ぎ木だと異物が移動するために観察がしやすいという理由で、あえて関係の薄い種同士で接ぎ木を進める中、ナス科のタバコがアブラ...

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