野田口理孝さんにとって鮮烈な記憶となっているのは、タバコを挟みトマトとシロイヌナズナをつなげて作ったトマトの実の赤さと強い甘みだ。小さく、成長は必ずしも良くなかったが「改良すれば夢のような技術になる」と直感した。
2013年から研究を本格化。タバコがつながる植物を網羅的に調べると「やった分だけくっついた。興奮の嵐だった」。遠縁の植物同士でも成功した特殊な例は過去にも報告があったが、タバコのように何とでもつながる例はなかった。「1人で全てこなすゼネラリストみたいだ」と笑う。
なぜタバコは特殊なのか。植物には、茎や枝を傷つけられても、修復して元通りにする再生能力が備わっている。この仕組みを使い、...
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