知人の子どもをあやす北の湖。土俵を離れると優しい人柄だった(法持寺提供)
知人の子どもをあやす北の湖。土俵を離れると優しい人柄だった(法持寺提供)
自身の言葉が刻まれた石碑の前に立つ北の湖=名古屋市熱田区の法持寺(法持寺提供)
北の湖が母親に横綱昇進を伝えた言葉が刻まれた石碑=名古屋市熱田区の法持寺
名古屋場所前の三保ケ関部屋へ出稽古に来た大関貴ノ花(左)と談笑する横綱北の湖=名古屋市熱田区の法持寺(法持寺提供)
北の湖の石碑を紹介する法持寺の川口高風住職=2025年7月、名古屋市熱田区の法持寺
雲竜型の土俵入りを披露する新横綱の北の湖=1974年9月、蔵前国技館

 大相撲の元横綱北の湖(本名小畑敏満、北海道出身)が日本相撲協会理事長在任中の62歳で死去してから、2025年11月20日で10年となった。1970年代半ばから最高位に10年以上も君臨。優勝24度は史上5位、21歳2カ月での横綱昇進は史上最年少記録として今も輝く。現役引退後は協会理事長を2度にわたって務め、令和の大相撲人気定着の礎を築いた。(共同通信=田井弘幸)

 ▽「横綱北の湖」の原点、ピンク色の電話で…

 名古屋市熱田区の静かな路地を進むと「横綱北の湖」の原点ともいえる寺がある。境内に入ってすぐのところに、半世紀以上前の歴史を物語る石碑が光を放っている。

 「うん ほんまに横綱になったんや 母ち...

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