
「好きなものはいちずに追いかける『推し活』人間です」と語る山口隆子さん
かやぶき屋根のてっぺんを草が覆い、花が咲いているさまは風流でのどかだ。実はれっきとした建築技法で、「芝棟(しばむね)」という。かやぶき屋根が急速にその姿を消しつつあり、古来の伝統が廃れゆく中、法政大教授の山口隆子さんはライフワークとして調査研究に取り組んできた。「先人の知恵を今の環境課題の解決に生かせるはず」と熱く語る。(共同通信=瀬野木作)
▽1枚の絵はがきがきっかけ
芝棟は、かやぶき屋根の頂上部を芝の生えた土の重みで押さえるとともに、根を絡み付かせることで固定する仕組み。山口さんによると、2011年時点で、岩手県など東日本を中心に600棟程度現存していた。水戸藩主だった「黄門様」こと水戸...
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