シリア内戦で破壊された町を電動車両で移動するアルーシさん=7日、ダマスカス郊外(共同)
 シリア内戦で破壊された町を電動車両で移動するアルーシさん=7日、ダマスカス郊外(共同)
 地中の爆発物を調べるシリアの国立地雷対策センターのスタッフ=2日、シリア中部ハマ県(同センター提供・共同)
 取材に応じるアルーシさん=7日、シリア・ダマスカス郊外(共同)
 シリア・マダヤ、ダマスカス、アレッポ

 独裁政権崩壊から8日で1年となった中東シリアでは、2011年以降の内戦で各地に多数の地雷が埋設された。人権団体によると、地雷の民間人犠牲者は少なくとも約3500人。負傷者は1万人を超え、社会復帰に苦しむ。「地雷は人生を奪う最悪の兵器」。荒れ果てた国土の中で政権崩壊後も被害は相次ぎ、復興の妨げになっている。

 ▽空白の10年

 首都ダマスカス郊外の山間部の町マダヤ。アルーシさん(22)の人生は、12歳だった10年前に大きく変わった。当時、アサド政権軍と旧反体制派が激しく交戦。マダヤは食料不足で、野草などを探して政権側の検問所近くに足を踏み入れた瞬間、政権側が埋めたとみられる地雷が爆発した。

 アルー...

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