APEC首脳会議前に中国の習近平国家主席(左)とあいさつを交わした高市首相=10月、韓国・慶州(高市首相のXから)
APEC首脳会議前に中国の習近平国家主席(左)とあいさつを交わした高市首相=10月、韓国・慶州(高市首相のXから)
大東文化大兼任研究員の諏訪一幸氏
トランプ米大統領(左)と中国の習近平国家主席=10月30日、韓国・釜山(ロイター=共同)
薛剣・駐大阪総領事

 台湾有事を巡る11月7日の高市早苗首相の国会答弁を受けて、日中関係は急激に悪化した。外交官出身で中国政治が専門の諏訪一幸・大東文化大兼任研究員に話を聞くと、鍵となるのは中国の「強国路線」。中国にとって日本の重要性が低下している現実も指摘した。うかつな部分があった答弁と、恣意的な批判を続ける中国―。日本政府は事態の長期化を覚悟し、国際的な情報戦に取り組む必要があるという。(共同通信・日中関係取材班、取材は11月21日に実施)

 ▽答弁と中国の対応

 ―高市氏の国会答弁をどうみますか。

 「うかつだった部分があります。脇が甘かった。そもそも、中国は高市さんが右派、タカ派であるという認識を強く持っている...

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