「家じまい」について取材に応じる山岸美喜さん=11月、名古屋市
 「家じまい」について取材に応じる山岸美喜さん=11月、名古屋市
 叔父で4代目だった徳川慶朝さんの写真を手にする山岸美喜さん=11月、名古屋市
 江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜(山岸美喜さん提供)
 渋沢栄一が著した伝記「徳川慶喜公伝」の原稿。慶喜自ら修正した跡が残る(山岸美喜さん提供)
 東京都台東区にある徳川慶喜の墓(山岸美喜さん提供)
 徳川慶喜家の略系図(写真は山岸さん提供)

 江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜が明治時代に興した徳川慶喜家の5代目当主山岸美喜さん(57)=名古屋市=が、墓じまいと、先代の遺志に従い家系を終わらせる「家じまい」を進めている。慶喜にまつわる膨大な史料の寄贈先探しに奔走。「多くの人の目に触れることが大切。現代の大政奉還になれば」と話している。

 徳川慶喜家は1902年、慶喜が公爵を授けられたことを機に、徳川宗家とは別に創設された。山岸さんは慶喜のやしゃごに当たる。2017年に他界した叔父で4代目徳川慶朝さんの遺言で5代目当主になった。

 慶朝さんは生前、山岸さんや弁護士に、家系を絶つ家じまいの意向を示していた。山岸さんは「叔父は一人で史料や墓の管理...

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