映画「国宝」より((C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会)
 映画「国宝」より((C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会)
 カンヌ国際映画祭と並行して行われた「監督週間」で「国宝」の上映後、観客の拍手に応える(手前左から)李相日監督、吉沢亮さん、横浜流星さん、渡辺謙さん=2025年5月、フランス・カンヌ(共同)
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 稲田豊史さん
 2025年に最も聴かれたオーディオブック作品のランキングで1位になった「国宝 上 青春篇」

 2025年に邦画実写映画の歴代興行収入1位の記録を22年ぶりに塗り替えた「国宝」。やくざの家に生まれた主人公が数奇な運命をたどりながら歌舞伎の道を究めていくさまを描く、約3時間(175分)の大作だ。大みそかに東京・歌舞伎座で特別上映会が開かれるなど、公開から半年以上たっても話題は尽きない。

 6月6日の公開直後の週末の観客動員数は3位だった。一転して、破竹の勢いで大ヒットへと向かった背景の一つが口コミだ。

 X(旧ツイッター)ではどんな口コミが広がったのか。「コスパ」や「タイパ」が重視され、ショート動画に人気が集まる時代に、長尺の「国宝」がなぜ人々の心をつかんだのだろうか。Xのデータを分析すると...

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